童話の森ギャラリー 夏の企画

「ちひろが描いた童話の世界」展

2000.08.01〜08.31

黒姫童話館となり「童話の森ギャラリー」にて

ちひろさんが描いた童話の挿し絵などを展示します。

挿し絵の原画のほか、絵本や紙芝居なども展示されます。

 

「マッチ売りの少女」とか、いろいろなおひめさま、また魔女たちに、

わたしは、それぞれのイメージをつくり、

それをすこしづつ発展させながら、なんかいかいたことだろう。

なんかいかいても、なお工夫するたのしさを、

わたしはいまだに失わないでいる。

―――いわさきちひろ 1964年―――

 

ちひろさんの画家としての出発は、アンデルセン原作の紙芝居「おかあさんの話」の仕事でした。戦後まもなく、疎開先の信州からひとり上京したちひろが、小さな新聞社で働きながら絵の勉強に励んでいた頃でした。これまでの1色刷りのカット等の仕事とは異なり、物語一冊をひとりで担当し、色をふんだんに使って描けるカラー印刷のための初めての仕事となったこの「おかあさんの話」を契機に、ちひろは絵筆一本の生活を歩みだしたのです。以後20年以上に渡って、絵雑誌や単行本、絵本などに、童話を題材にした作品を描き続けました。なかでもアンデルセン童話は、毎年のように手がけていて、その作品は800点をこえるほどです。人の悲しみや真実を見つめ、心のひだをていねいにとらえ、夢を描いたアンデルセン童話に、ちひろは深く共感していました。ちひろが童話から紡ぎだした作品からは、どんな人間のなかにも美しさを見い出し、未来への希望を持ち続けたちひろの思いが感じられます。今回の展示では、初期の油彩画や紙芝居、絵雑誌などの原画をはじめ、抒情豊かに描き出した「あかいくつ」などの絵本原画、ちひろ特有の感性で物語世界を描いた後期の作品まで、貴重な書籍や資料などもまじえて構成します。ちひろが描いた童話の世界をお楽しみください。

―――童話の森ギャラリー リーフレットより(全文)―――

 

「童話の森ギャラリー」へは、森のシンフォニーから徒歩10分です。

(黒姫高原牧場の環境を守るため、

自家用車の乗り入れは禁止されています。)

 

記念講演レポート

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